ヴィンテージワインの専門店【SHIMIZUYA】‐大切な人に、生まれ年ワインや記念の年のワインのプレゼント

~誕生日に、退職される方や還暦など区切りの年の贈り物に年代物のヴィンテージワインを~

 

ヴィンテージワインの魅力とは・・・ヴィンテージワイン専門ショップ【SHIMIZUYA】 ヴィンテージワインの魅力

ヴィンテージワインを探す


ラッピングについて


歴史を重ねたワインに花を添えて・・・

ご利用シーン


お客様の声
HOME»  「良いヴィンテージ」と「悪いヴィンテージ」

「良いヴィンテージ」と「悪いヴィンテージ」。理想的な天候は?


ヴィンテージワインを取り扱いしていく中で、「良いヴィンテージ」と「悪いヴィンテージ」とうい表現が多く使われます。
 
 ヴィンテージを左右する請条件としては、土壌、葡萄の株、ワイン醸造の伝統と技術などはもちろん重要な事ではありますが、一番決定的なのは、その年の天候です。
 
世界のどんなところでも葡萄は育つことできますが、いずれにしても葡萄の樹が成長し、結実し、果実が熟成する季節には、ささいなものにしろ劇的で重大なものにしろ気候状態の変動の影響を受けます。
それは栽培者が、色んな対策をとっても適わない所でもあります。
 
 暑さ寒さ、雨の多寡、太陽の照りかげん、湿度などのタイミングと順序は最終的な葡萄の品質と、それから造られるワインの質とスタイルに直接的な関係をもたらします。人間の顔に例えると目・鼻・目・毛髪などは誰もがもっているが、同じ顔はひとつとしてないように、葡萄の成長期には、発芽、開花、結実、完熟という段階がありますが、段階は同じでも年によって決して一様ではありません。
 
その葡萄の出来を左右する、理想的な天候や栽培者が行なう作業を、簡単ではありますが季節ごとに紹介致します。

 

【晩秋と初冬】
 
摘み取りが終わると、長い枝は切り取られ(剪定)、冬の寒さと霜に備えて畔の間の土を掘り返し株の根元に土をかけてあげます。
剪定は12月のなかごろから始められ、葡萄のためには冬は寒いのが理想的です。
前の年によく働いた葡萄樹たちは、冬の睡眠と休憩に入ります。
大きくて質のよい実を結ばせるためには、充分に休ませなければならないからです。


 

【新年と春】
 
剪定は、樹に樹液が昇ってくる3月初旬ころまで続けられます。その後、冬の覆いのとりはずしで、株の根元の盛土は取り崩されます。
栽培者にとっては、うれしい予感や、不安な思いに満ちる時期でもあります。
気候があまり温暖だと樹が成長し過ぎ、霜害を被る可能性があります。
4月か5月初旬に、たった一度の霜が、大惨事を招き、予想されていた収穫を減少させる結果を生み出すこともあります。(1991年ヴィンテージはそうしたケースで若葉が菅のなかで枯れてしまいました)。
逆に、ひどい霜害に遭っても、それがかえって恵まれた結果をもたらすこともあります。
霜害が厳しい結果になって、果実数が減少したとしても、その夏が非常に暑く乾燥していると、非常に濃度の凝縮された上質の葡萄が実ります。(1945年ヴィンテージと1961年ヴィンテージのボルドーはこうしたケースです)


 

【晩春から初夏】
 
霜の被害を受けていない場合は、畑の雑草ぱ除去されウドンコ病やベト病予防の多作が取られます。
その次の期間は重要でな葡萄の開花期です。
暖かく、乾燥しているのが理想的で、そうなれば開花は早く、短期間で終わります。
 
開花が早ければ早いほど収穫期も早まります。
逆に気候が寒く湿気が多いと開花は遅れる上に長引き、受粉がうまくいかず、花は結実出来ずに落ちてしまう場合があります。
また受粉が不完全だと、果実は小さくて種がないという結果になります。
これも栽培者にとって頭痛の種のひとつでもありますが、ただこうした実は、とても甘い変わりに、搾って取れる果汁の量が減少してしまいます。
古来から、葡萄は、開花から摘み取りまでに100目の目当たりが必要とされています。
 
開花が遅くなれば、それだけ摘み取りは遅くなり、それだけ収穫にはリスクが現れてきます。


 

【盛夏から晩夏】
 
穏やかな太陽の光と少量の雨とがほどよくミックスされて葡萄の樹に降り注いでくれれば申し分ない気候といえます。太陽は葡萄の実が熟すのを助け、雨は実を大きくしてくれます。
8月は比較的無事に過ぎることが多い季節です。
葡萄の実の色はどんどん変わっていき、その間、栽培者は枝を落とし、雑草を取り除いていきます。特に、葡萄がとてもよく実り豊作の気配が感じられる年には、高級葡萄園では、葡萄の房を思いきって切り減らしていきます。土から取った栄養はごく少ない葡萄の実に集中させるためです。これはぜいたくな方法で、質が向上した分だけ、生産量は少なくなります。


 

【初秋】
 
もし、春と初夏、発芽と開花が、その年の収穫高の規模と摘み取り時期を決める段階だとしたら、晩夏と初秋の熟成の時期は、葡萄の実の糖分含有量とその他の成分のバランスが決まる段階と言えます。
酸味と糖分のバランスは非常に重要で、葡萄が良く熟せば、それだけ糖分の含有量が高くなり、発酵後のアルコールの濃度も高くなります。但し熟し過ぎると酸分は減少するという何とも難しい部分でもあります。
酸味はワインの生命であり、活力源であり、新鮮さを保ち、寿命を支える力をもたらします。個人的な意見ではございますが、葡萄の酸味、つまり酒石酸は、ワインの神経組織のような部分です。
逆に、未熟な葡萄だと天然糖分が少な過ぎるため発酵後のアルコール濃度の高さを期待出来なくなります。ただ、これは手直しが可能で、公的に許可されれば発酵前なら発酵中の果汁に加糖することも出来ます。
熟していない葡萄は、酸分、それも、ワイン向きでない酸分が多く含まれ、料理用のりんごのような酸っぱさになります。


 

【収穫】
 
収穫は、葡萄が適度に然したとき、寒くなる前に行なわれます。
ボルドー地方で言えば、9月半ばでは早すぎて、通常9月末が望ましいです。
10月初旬はまだ異常ではありませんが、10月末になるとリスクが多くなります。
非常に暑い夏を越した場合、辛口用の白葡萄は8月に摘み取りが始められますが、赤ワイン用葡萄が、早く摘み取られることはめったにありません。
ソーテルヌやドイツのように古典的甘口白ワインの産地では、摘み取りは辛口白ワインやふつうの赤ワインの葡萄よりずっと遅くなります。これは、さらに熟すのを待つためであります。


 

【除梗と発酵】
 
要するにワイン造りです。この段階は人間の手によるコントロールが可能になります。
そのやり方は葡萄園所有者や、醸造責任者たちの心得や技術次第で多種多様になります。また、その土地の習慣や、造ろうとするワインのスタイルや品質によっても違ってきます。もちろん違いは重要ですが、それはあらかじめ予想出来るものでもあります。
それは各種の発酵方法はそれぞれ何度も試され知り尽くされているし、結果も実証されているからです。

 

上記の事からも、ただひとつ予測のつかないこと、それが天候です。
ですので、「天候が重要なヴィンテージを決める」という理由になります。
 
補足
 
「当たり年に悪いワインが出来るように、不作の年に良いワインが出来ることもある」と、よく言われます。これは半ば真実と考えています。
 
良いワインが出来るはずだったのに、気の緩み、手違い、不注意、ちょっとした手際の悪さで、失敗作になってしまうこともあります。
反対に、悪天候であったにもかかわらず、栽培者と醸造家の技術と絹かい気遣いが悪条件を克服し、素晴らしいワインを造り出すこともあります。
 
しかし、総合的に分析してみると、良いワインは良い葡萄から造られ、良い葡萄は好条件の天候のもとで育つ、という結論が見えてきます。